再建築不可物件は価格がとても安いのが特徴です。その理由はなんと言っても、建物を建て替えることが出来ないからです。土地の価値というのは、どれだけ有効に活用できるかどうかという事によって経済的な価値が変わってきます。

再建築不可物件がお手頃な理由

例えば同じ駅で駅前だけれども、車の騒音がうるさく周りは色々なお店がたくさんあるという物件と徒歩15分くらいの一戸建て住宅と言う物件とではどちらが経済的な価値があるでしょう。(ここで言う経済的価値とは、いくらで売れるのかと言う意味で使っています)生活をしていくという点では、徒歩15分の一戸建て住宅が良いかも知れませんが、駅前の商業地ということになると、高さを利用することが出来るので、その分高い建物を建築することが出来、結果的に収益性が高くなります。一方で閑静な住宅地においては建てられて2階建ての建物になりますので、商業地のように高い建物を建築することが出来ず、収益性という点で駅前の物件の方が高くなります。このように不動産の価値というのは、建物が建築できるかどうかで変わってきますし、次にどれだけ収益を得られるのかという点で価値が変わってきます。

再建築不可物件の場合は、建築基準法が定める4m以上の公道などに2m以上接道してないために、将来その敷地に改めて建物を建築することは出来ません。そのため将来的に土地の有効利用をすることが出来ないために、実勢価格以上に公的な評価においても土地の価格がとても低くなります。

またそれ以外には、再建築不可物件の場合は、適切に接道していないということもあり、場所的に突き当たりの場合が多く、その場合は建物の日当たりも良くないことも特徴の一つです。それ以外には隣地との境界線がはっきりしていない場合もありますし、私道トラブルなどもあるケースもあるため、不動産の立地状態がトラブルを抱えている可能性もあります。

再建築不可物件の人気について

したがって、実際の取引価格ということになると、同じような地域で通常に接道している一般的な不動産と比較しますと、再建築不可物件の取引価格は一般の不動産の価格の60~70%ほどになります。そのためユーザーによって場所が好きであれば、再建築不可物件でもいいというユーザーは意外と多いですし、そういう物件を中心に買取をしている不動産業者も多くいます。それに再建築不可物件は将来的に新しい建物を建てたりすることは出来ませんが、現在ある建物に住むことは出来ないということではありません。現在ある建物をリフォームしたりリノベーションをして、家を自分好みにしたりすることまでは法律では禁じられていません。(ただし、住所地を管轄する地方公共団体に対して建築確認申請をしなければいけない建物の改修は認められません)そのため、自分で住む人もいますし、建物を賃貸に出して、収益不動産として運用する人もいます。この場合、再建築不可物件は取得コストを大幅に抑えることが出来る一方で、賃料は周辺物件よりも極端に下げなくてもいいことから、収益性がとても高くなるため、インカムゲインを狙っている一部の不動産投資家には、再建築不可物件はとても人気があります。

また、再建築不可物件は道路に2m以上接道していないために、価値が低いのですが、接道することによって一気に土地の価値が上がります。そのため投資家や不動産業者の中には、再建築不可物件に隣接している道路に正常に接道している不動産を購を検討しているケースもあります。この場合、正常に道路に接道している物件を取得することが出来れば、再建築不可物件は再建築不可物件ではなくなりますので、土地の価値は一気に上がります。ただ、この場合はそれなりの交渉が必要になるということは言うまでもありません。