再建築不可物件は、一般的な評価が低いこともあり、取得コストがとても安いこともあり一部にはファンがいたり、専門の不動産会社もあります。どうして、将来的に建物を再建築することが出来ない物件を買いたいというニーズがあるのは、やはり価格が安いということもありますが、公的な評価も低いので、固定資産税も安くなることもあり、ランニングコストも抑えることが出来るという点をあげることが出来ます。

ただ、取得コストや運用コストが極めて安い再建築不可物件ですが、購入する際には注意をしないといけない点がありますので、ご案内します。

周囲との権利関係はどうなっているのか

まず、再建築不可物件の場合、立地条件として混み合った場所にある場合があります。そのため隣地との境界線の状態が不明確になっていたり、あるいは私道の持ち分などの状態も不明確になっていることがあります。その場合にはもし現状のまま購入してしまうと、将来的に様々な点でトラブルになることがあるので、仲介に入っている不動産会社に明確にしてもらい、その問題が解消するまで購入をしてはいけません。ここで注意をしておく必要があるのは、建築不可物件が袋地の場合です。再建築不可物件が袋地場合は、他人の土地に四方を囲まれた状態になります。この状態ですと当該土地から無許可で外に出ることができませんので、生活のためにも周りに住む人から通行承諾書を取得しなければなりません。もし、通行承諾書をとらないと隣人トラブルが起きてしまう可能性があります。

建物の状態をチェックしよう

次に再建築不可物件を購入した場合には、再建築不可物件の上に建っている建物に住むことになります。その場合特に古い建物の場合には、色々なところで経年劣化しているので、リフォームやリノベーションをする場合に想定している以上の費用がかかる場合があります。そうならないためには、建物を引き渡しする場合に所有者の責任で修理をするなり、あるいは価格を安くするという交渉の他、住宅診断士に現在の建物をプロの目でチェックしてもらい、どのような費用負担をするべきかということをしっかりと事前にするべきです。特に耐震基準はどうなっているのかということはチェックしましょう。

住宅ローンについて

後は再建築不可物件の場合は、原則銀行の住宅ローンが融資されない場合可能性があります。その理由としては、まずは再建築不可物件自体が価値が低いので、万が一融資の返済で事故が起きた場合に金融機関の対応がとても難しいということです。つまり、金融機関は融資をしたけれども、融資を受けた方が返済出来ない場合に、抵当権を実行して融資した金額を回収しなければいけません。ところが、再建築不可物件は公的な評価が低いので、裁判所を通じた強制執行である競売を申し出ても、最低競売価格の価格が低い場合には融資した債権が回収できない可能性もあるからです。また、再建築不可物件の建っている建物が経年劣化していて、建物の価値がなくなっている場合に住宅ローンとして融資すること出来ない場合もあります。通常木造建物は25年で減価償却しますので、建築して相当期間経過している場合には建物の自体評価できなくなるため、住宅ローンとして長期の融資をすることは出来ない場合がほとんどです。そのため建築不可物件はノンバンクでの金利の高いローンしか借りられない場合があります。その場合は、住宅ローンの金利が高くなりますので、月々の支払いの負担も小さくありません。

以上のように再建築不可物件は、メリット以上にデメリットは多いので、いかにデメリットによる悪影響を避けてメリットを活かすか出来るかどうかがポイントになります。そのため事前に建物の状態、土地面積と建物面積、隣人トラブルの有無は再建築不可物件を購入で後悔するトラブルのもとになりますので、建築不可物件を購入する前には自分の目で確認して、周辺の情報を仕入れるようにして準備は万全の状態にしておく必要があります。