再建築不可物件の価値が低い理由

再建築不可物件というのは、文字通り建物を再建築することが出来ないということです。建物が再建築出来ない不動産というのは、不動産の価値が低下するということを意味しています。

では、どうして土地に建物を建てることが出来ないと、不動産の価値が低下してしまうのでしょうか。それは不動産の価値というのは、どれだけ有効活用することが出来るかどうかで評価が変わってきます。

例えば、ほぼ同じ地域で2階建ての建物しか建てられない土地と、10階建ての建物を建てられる土地とどちらが価値が高くなるのかというと、10階建ての建物を建てられる土地です。この2つの土地を賃料という点から考えると、ワンフロアー10万円の賃料と設定した場合に2階建ての建物だと10万円×2階=20万円の収益になりますが、10階建ての建物の場合は10万円×10階=100万円の収益になります。つまり、どれだけ有効に建物を使えるかどうかということで土地の価値があります。

ところが再建築不可物件の場合は、今後建物を新築したり、建て替えたり、増築や改築なども出来ません。したがって、周囲の不動産で普通に道路に接道していて、将来的にも建物を建て替えたりすることが出来る不動産と再建築不可物件と比べると、明らかに再建築不可物件の方の価値が下がってしまいます。それは再建築不可物件においては将来的な有効利用をする建物を建て替えることが出来ないからです。

再建築不可物件の利用について

それでは、このような価値がなくなってしまった物件を利用することが出来るのでしょうか。これは結論からいうと、可能です。一つは再建築不可物件は将来的に建物を再建築することが出来ないのであって、現状の建物に関しては利用することが出来ます。実際に東京23区内における約25万戸の家屋があるとされていますので、それらの物件が再建築することは出来ませんが、住むことは出来ます。また、再建築不可物件において法律上認められないのは、増築、改築、再建築ですが、リフォームやリノベーションをすることは可能です。したがって、再建築不可物件を購入して、その土地の上に建っている建物をリフォームして、自分好みの家にするというニーズはかなりあります。しかも、再建築不可物件は、不動産としての価値が低いということもあり、一般的な不動産(この場合、建物の建築をすることが出来る不動産)よりもかなり安く入手することが出来るので、余剰資金を建物のリフォーム代金に充当するなど、住宅資金を有効に活用すること出来ます。

投資不動産としての運用

また、投資不動産として好んで取得するというニーズが再建築不可物件にはあります。建物の有効利用が将来的に認められていない物件にどうして投資をするのかということになりますが、再建築不可物件は新しい建物を建てることが出来ないのに、どうして投資?と考える人もいるでしょう。再建築不可物件は不動産の価値は低いのですが、再建築不可物件の上にある建物は当然利用できますし、リフォームをすることが出来ますので、賃貸物件として運用することができます。つまり売却益を確保するという投資ではなく、インカムゲインを運用する投資として再建築不可物件は注目をされています。つまり、再建築可能物件の上に建っている物件と再建築不可物件の上に建っている建物のそれぞれの賃料は地域が同じ地域であれば大きく違いません。一方で再建築不可物件は土地としての価値が低いので、取得コストを大幅に抑えること出来ます。そうしますと再建築不可物件を収益不動産として運用した場合には、取得価格が安いので同じ地域で同じ条件の建物が建っている物件と比べると高利回りを期待することが出来ます。

このように再建築不可物件だからと言って利用することが出来ないということではなく、様々な利用方法があるということも覚えておきましょう。